萩の祖母の生前に会った時の思い出に、「外国にさらわれるから、絶対に一人で海に行くな。」と注意されたことがあります。「外国にさらわれる」と言うことが、当時の自分にとって今まで想像したことの無かった事柄だったので、発言はハッキリ覚えています。当時は「ただで外国行けるのか」とかのんきな事を考えたりしました。
言われたのは小泉訪朝よりずっとずっと前です。ですから、拉致事件そのものは昔から日本海沿岸の一般庶民レベルでは認識されていたのだと思います。
ただ、気になることが一つ。祖母に注意されたその時の私は、まだ小学生の低学年で、北朝鮮の拉致事件みたいに、さらった日本人を工作員の教育係にするには若すぎるんです。北朝鮮の日本人拉致事件17人のうち、主な被害者の方の年齢は20歳以上。10代は一番若い横田めぐみさん13歳と、蘇我ひとみさん19歳でした。
政府認定17名に係る事案 それなのに、まだ幼い私に注意した、というのが気になるんです。兄弟や親に聞いてみても「祖母からそんな話は聞いた覚えがない」そうですから、私だけに注意したようです。
ここから先は想像ですが、拉致事件は工作員養成ではなく、人身売買など別の目的の拉致もあったのではないか? 人身売買なら子どもをさらって、子どものいない家庭に売る。それなら合点がいきます。
外国が絡んだ営利誘拐……拉致は北朝鮮だけでは無いのでは……。